『年齢によって色の見え方が変わるってほんと?』
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「高齢者の色の見え方」について
皆さまは、「あれ?自分と色の見え方がちがう・・・?」と思ったことはありませんか。
感性の違いもあるかと思いますが実は、年齢を重ねるとともにだんだんと色はみえづらくなっていきます。そのため若者と高齢者では見えている色が異なる可能性が高いのです。
日常生活でも案内表示が見えづらくなったり、コンロの青い炎が見えなかったり、段差が見えず踏み外してしまったり、若い時には見えていた色が見えづらくなる影響で事故につながるケースも多くみられます。
テスト方法が異なるので一概に2つを比較することはできませんが、どちらも数値の大きい方がより高い耐摩耗性があるとされています。
とはいえ、どのくらいの値がどのようなシーンに向いているのか、少しわかりずらいかもしれません。その一つの目安をご紹介したいと思います。
●若者と高齢者の見え方の違い
実際に若者と高齢者で色の見え方はどれほど違うのでしょうか。高齢者の場合、若者が見えている色の上に黄色~褐色のベールを被せた色に見えています。例えば、青や青紫は濃いグレーに見え、薄紫は白に見え、黄と白の組み合わせは二つの色の区別がつきづらくなります
●高齢者が見えづらい色
年齢を重ねるにつれ、水晶体の老化や紫外線の影響で水晶体が濁り目の機能が低下してしまいます。特にグレーや黄色、パステルカラーは見えづらいと感じるようです。また、若い頃に見えていた微妙な色の濃淡の違いもわかりづらくなります
●高齢者が認識しやすい色
それでは、どんな色が高齢者に認識しやすいのでしょうか。年齢問わず男女ともに人気が高い緑色は、高齢者の目を通しても色の変化が少ない色です。ショールームで実際に接客していても緑や深緑のファブリックを探す方は多くいらっしゃるように思います。
また、色使いとしては、明暗差やコントラストが大きい色使いであれば認識しやすいと言えます。
一方で、明暗差やコントラストがあまりない色使いの場合は、全てが同じ色に見えてしまいます。そのため濃い色や薄い色同士の組み合わせは、注意が必要です。
また、個人のお客様へのご提案以外にも、例えば高齢者の介護施設等のインテリアを考えるときは、部屋の中にいる時間が長くなることを考慮し、前向きな気持ちで過ごせるように明るい色や暖色を選ぶ工夫も必要です。
日本の総人口は、2022年現在、1億2471万人。そのうち65歳以上の高齢者は3627万人。割合としては29.1%となり過去最高となりました。
「超高齢化社会」である今日、高齢者の感覚を認識しながら、インテリアの力で皆が心地よく過ごせる環境をつくり、一人でも多くの方が前向きに、豊かな気持ちで毎日を送ることができるといいですね。